大森雅俊

【第6回】スライドはどう作るのか?

  • 2026/06/23

フラットトラックを始めた方から、

「スライドって意図的に作るものですか?」

「それとも結果として起きるものですか?」という質問をいただくことがあります。

これは、自分の中ではどちらも正解だと思っています。

ただ、競技によって考え方は少し変わります。


スライドは“結果”なのか?

例えばロードレースの場合。

基本的には、タイヤのグリップを最大限使った結果として、スライドが起きます。

限界域に入った先で発生する現象なので、無理に作ろうとするものではありません。

グリップを使い切った結果として、自然に起こるものだと思います。


オフロードの場合は?

オフロードでは少し考え方が変わります。

フラットトラックもそうですが、滑ることを前提に走る競技です。

場合によっては、あえてリアタイヤを滑らせて、コーナーリングスピードを作ることもあります。

バイクの向きを変えるためにリアを流す。

ここはロードレースとの大きな違いだと思います。


リアを流すきっかけは?

基本的にはアクセル操作です。

ただし、単純にアクセルを開ければいいというものではありません。

車体の向き。荷重の位置。サスペンションの状態。

そういった条件が整ったタイミングでアクセルを入れることで、リアタイヤが動き始めます。

自分は、そのタイミングを大切にしています。


アクセルの開け始めで意識していること

これは毎回同じではありません。

路面も違いますし、バイクの動きも毎周変わります。

今バイクがどんな状態なのか。リアタイヤにどれくらい荷重が乗っているのか。

そういったことを感じながら、アクセルを開けるタイミングを決めています。

アクセルはオンかオフかのスイッチではなく、バイクと対話するためのものだと考えています。

バイクの動きに対して返事をするような感覚です。


フロントが逃げる原因は?

フロントタイヤが滑ると、フロント側に原因があると思われがちです。

でも実際は、リアタイヤの使い方に原因があることも少なくありません。

動力の伝え方が乱れていたり、リアタイヤがうまく仕事をしていなかったりすると、

その影響はフロントにも現れます。

フロントだけを見るのではなく、車体全体のバランスを見ることが大切だと思います。


初心者がスライドで失敗する理由

スクールでもよく見かけるのが、ブレーキをかけすぎてしまうケースです。

止めようとする意識が強くなりすぎると、必要以上に減速してしまいます。

すると荷重が不安定になり、タイヤがうまく働かなくなります。

スライドは力で作るものではなく、流れの中で生まれるもの。

まずはバイクの動きを感じることが大切だと思います。


まとめ

スライドは特別なテクニックというより、

バイク・路面・ライダーの動きが揃ったときに生まれる状態だと考えています。

無理に作ろうとするのではなく、その状態を作れるようになること。

そこが上達への近道なのかもしれません。


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